コロナ禍で、完全オンラインでの実施となった、三菱ケミカルホールディングス様への業務改革プロジェクト支援。今回は、より付加価値の高いサービスを提供するべく、NEC時代の同僚で、現在はコンサルタントとして活躍されている、カレントカラーの𡈽方雅之さんとのペアでサポートさせていただきました。園部は主に、プロジェクト全体の設計、PMOを、𡈽方さんは主に、個別テーマのコーチングを担当。こうしたプロジェクト支援の仕方、そして、園部、𡈽方さんそれぞれにどんな印象を持たれたのか。事務局の中藤さん、中田さん、山田さん、原さんと、ざっくばらんにお話させていただきました。
コロナの感染拡大によりテレワークが常態化していく中、社内でテレワークについてのアンケートをとってみると、肯定的な答えが多かったものの、困ったことがあるという意見もあった。経営層からの指示もあり、その中身を解析し、ちゃんと解決していかないと、会社が上手く回らなくなるだろうと。それで、プロジェクトを立ち上げることになったのです。ただ最初は、何から手を付けたらいいのか分かりませんでした。
役員との話し合いの中で、このプロジェクトは=業務改革であり、単発でやっても意味がないから、少し高いところを目指してやろうということに。でも、ただ寄って集って話をするだけでは、思うように進まなかったんです。結局、2カ月くらい停滞していましたね。それで、お二人にサポートをお願いしたというわけです。
なるほど。そうだったんですね。ところで、世の中には、業務改革とかプロジェクトの支援をする会社はたくさんあると思うんですが、なぜ我々を選んでくださったのでしょうか。だって、羊ですよ。牧場ですよ。大丈夫かな…と思わなかったのかなと。(笑)
いつもTシャツですしね。なぜか寿司も握ってるし。(笑)
前にチラッと聞いたお話によると、最初にみなさんが作ってくださったオリエン資料に対し、僕らがダメ出しをしたのが良かったとか。ロジックがつながっていないとか、よくわからないとか。恐らく、𡈽方さんが言っていた?!と思うんですけれど。(笑)
けちょんけちょんに言われたヤツですね。確かに、ダメ出しされたのは御社だけでした。(笑)
通常、こうしたプロジェクト支援をコンサルにお願いすると、半年でこういうことをやります、したがっていくらになります、という提案をされることが多いんです。でも今回、園部さん、𡈽方さんは、まずは1カ月、我々の本気度を見たいと仰った。で、最初の見積もりは1カ月のみ。その後どういうコンサルができるかは、改めて決めましょうと。こんなプロセスは初めてでした。試されているなとも思いましたが、もしかしたら、我々の考えや思いがより伝わるんじゃないかなとも思いましたね。
僕らとしては、お話を聞いて、これは大きなお仕事になると感じまして、だからこそ、お互い慎重になった方がいいんじゃないかと思ったのです。我々だけがいくら頑張って熱を注いでも、できないことはたくさんあるというのは経験上分かっていたので、より丁寧に進めようとは思いました。
立ち上げ当初は、熱量が上がっていないとよく言われましたね。
それ、コンサルに言われるとどう思うんでしょうか。
いい刺激ですね。本気にならなくちゃという気づきをいただけたような気がします。
我々の熱量が上がってきたとおだてられて、やっと本格始動できたという感じでしたね。
僕は、前職の時から常に熱量センサーを働かせているんですが、𡈽方さんはどうでしたか。
園部さんが熱とか情を見てくれたので、僕は理屈を攻めていこうと思っていました。熱をゴンゴン入れていく係と、裏でしっかり理屈を支えていく係という風に、うまく役割を分けられたのかなという印象ですね。
コンサルとクライアントにも相性がありますからね。こっちが熱を上げれば上げるほど、下がっていくコンサルもいましたし。
じゃあ、僕らとの相性は良かったですか?
バッチリです。ここまで突っ込んできてくれるコンサルってなかなかいないと思いますよ。いつか別れがくると思うと涙が。今からハンカチを用意しとかなきゃ。(笑)
次に、我々の関わり方について、感じたことを率直に教えていただけますでしょうか。例えば、事務局運営でこの進め方が参考になったとか、ここがやりやすかったとか。
あらかじめ、主要な会議を半年先までアレンジしたことですね。後が非常に楽でしたし、絶妙なタイミングに布石が打たれていて、すごいなと思いました。
しかもお二人が、会議の予定を1回も変更しなかったじゃないですか。それって、簡単なことのようですけれど、感心しました。
気付いてくれました?!鉄の意思でズラさなかったんです!
仕事がないのかなと。(笑)
断っているんですよ!(笑)
さらに、個々の会議は時間の5分前にきっちり終わる。これはなかなか真似できないけれど、真似していかなきゃいけないことだなと強く思いました。
同感です。もう、最初から時間が延びることを見越しているような会議には出たくないですね。ファシリテーターの育成は、事務局としてやっていかなきゃならないことだと思いました。もう一つ、𡈽方さんの代わりになるような、相談役みたいな存在も必要だなという気がしています。とはいえ、僕らには十分なコーチングスキルがないので、すぐにやれるわけではないですけれど。これまでそういう機能はまったくなかったので、そう思いました。
コーチングの話が出たので、𡈽方さんの印象はどうでしたか。
非常に的確に指示を出していただいて、本当に助かりました。ただ今後、ポスト𡈽方さんみたいな人をどうやって作るのかが大きな課題。本物を知ってしまったので、生半可にやったら崩れるなと。頭が痛いです。
話を聞いて、それに対する返し方がテクニカルでアカデミック。こちらが反論異論を投げ返せない。さすがですね。だからみんなが頼っていましたし、一方で頼りすぎな部分は、𡈽方さんがうまくコントロールしてサジェスチョンを与えてくれました。相談役としてものすごく適任な方だなと。こんな方、なかなかいないと思いますね。
こんなに褒められたのは結婚式以来です。(笑)お役に立てているのが感じられてうれしいです。ありがとうございます。
そういえば、1回だけ𡈽方さんを怒らせてしまったことがありましたね。コーチングの時間にチーム内で議論を始めちゃったら、そんなものはチーム内で議論してからここに来てください!と。確かにそうだなと思いました。スパッと刀で切られた感じでしたね。
え~!そんなことがあったんですか。
そんなにきつい言い方はしなかったと思いますが。(笑) それは失礼いたしました。
いやいや、いい話ですね。日頃優しい方が怒ると怖い。効き目が違う。
しっかり準備してコーチングに臨まなきゃいけないと、あの時みんなが思いました。
今回は、私と𡈽方さんとのペアでの支援が、付加価値を提供できると思ってやらせていただきましたが、それに対して感じたことがあれば教えていただけますか。
お二人は夫婦じゃないかなと。(笑) 何をするにも阿吽の呼吸が成り立っていましたよね。
NECの中でもこういう風に改革をされていたんだろうなと思っていました。
ベクトルが揃っている感はありましたか。うれしいです。ありがとうございます。
僕のイメージとしては野球のバッテリーですね。サインなしで通じ合えるピッチャーとキャッチャー。お二人は全く違うタイプですもんね。でもいいペアだなと。
夫婦みたいだとか、バッテリーみたいだと言っていただけてありがたいです。とはいえ我々も、それなりに事前に打ち合わせはしています。園部さんは遠くを見て、私は地面を見て、テクニカルなところですり合わせして、お互いが納得するまで話し合う。それが、ちゃんとすり合っていると感じていただけていたのはよかったです。
我々は、タイプが違うからこそ、違う場所で危機を察知できるんです。そして、お互いリスペクトがあるので、互いの領域を侵さない。そういうのが機能していたのかなと思いますね。
第一、第二、第三世代まで進めてきたこのプロジェクト。振り返ってみて、得られた成果や、今のお気持ちを聞かせていただけますか。
具体的な成果としては、例えば、脱ハンコのための社内稟議の電子化について、通常なら、決定まで1~2年くらいかかるところを、半年で終えることができました。非常にスピーディにできたなと思います。その他にも、今後継続的に使っていける技、考え方、人の育成など、収穫は大きいと思っています。
担当領域を超えてやりたいこと、改善したいことを、現実に形にする。そういう活動もやればできるんだ、言えばやらせてもらえるんだという風土を作れたことが、最大の成果だと思います。また、プロジェクトの回し方に関する標準マニュアルを作っていただきましたが、これは、今後ブラッシュアップしていきながら、社内に伝えていきたいなと思います。
僕らはみなさんの自走を本当に願っています。よく、ノウハウは背中を見て盗んでくださいと言いますが、そんなことできるわけないじゃないですか。だから、普通のコンサルはあまり渡さない「コンサルとしてのノウハウ」をマニュアルにしてお渡しさせていただきました。そこは、僕らが大事にしていることで、美学だと思っています。かっこよくないですか?(笑
当初のテーマはテレワークにおける業務改革でしたが、もっと根底にあること、その一つが会議の量、質の最適化で、そういったことをいろいろ掘り起こしていただいて、我々の会社に新しい風を吹かせていただいたと感じています。でも、本当の成果は、お二人が離れた時に分かるものだと思いますね。
さりげなく僕らのハードルを上げていただいてありがとうございます。(笑) 確かにその通りです。やりがいがあります。会議については私自身がこだわりを持っていますし、会議の改革ってあまりやらないと思うので、そこはすごく上手くいったのかなと思います。
プロジェクトの成果も多々ありますが、個人的にも、今まで経験してきた仕事のやり方や考え方とは異なる領域に足を踏み入れられ、最初は戸惑いましたが、自分の幅を広げるいい機会になりました。
では最後、ここからが今日一番の大事な質問です!園部さんのここが最高なんですよ!園部さんにお願いして良かった!ということを、一言ずつお願いします。たくさんあると思うので3周くらいいきましょうか。(笑)
スキルの高さはもちろんですが、我々が自走できるように、技を植え付けるようなマインドで接して教えてくださったところ、社員の立場や気持ちになってやってくださったところ、そうした姿勢が素晴らしいと思いました。
すごく打ち解けやすい方。どんな会社のカラーでも、どんなネタでも、柔軟に入っていける。そこが光っているなという印象です。中でも専門領域である会議、これは当社でもインパクトがありましたが、全クライアントに共通する、いいネタを持っているなと。これからますます活躍され、5年後にはサインしてくださいという方になるのかなと思います。
スキルがすごい。特にファシリテーション。実は先日、大学生の娘がファシリテーションについて聞いてきたので、園部さんの著書を渡したら、分かりやすいと喜んでくれたんです。30年の年の差があっても同じ感覚を持てる、どの世代にも通用する技術なんだなと。すばらしいと思いました。
一言でいうなら戦略家。先を見据えて、対峙している相手にNOと言わせない布石をどんどん置いて、その気にさせてしまう。アジェンダが出るたびにそう思いました。
ありがとうございます。1周でたくさん集まったので大丈夫です。(笑) では、𡈽方さんのステキなところもお願いいたします!
僕らの悩み事を解決するだけでなく、資料作成など、本当は僕らがやらなきゃいけないことまでやってくださいました。スマートで、ロジカルで、かたい方かと思いきや、フットワークもレスポンスも早い。だから助かるんです。
打ち合わせが終わった時に資料ができ上がっているんですよね。どういうこと?って思いますよね。
とにかくほめるのが上手。ほめ殺し。絶対にけなさない。何かほめて、みんなのモチベーションを上げてくださっているのが非常に伝わってきて、これって大事なことだなと勉強させてもらいました。
仕事が早い。気配りもすごい。いい加減なところがない。園部さんがペアで一緒に仕事したいという気持ちがよくわかりました。部下にも欲しいし、同僚にも欲しいし、上司だとちょっと細かすぎるかな。 (笑)
僕がペアを組んで仕事をするのは𡈽方さんだけです。本当に信頼できる人はなかなかいないので。そこはみなさんも感じるんだなと思いました。
専門性が高い。コーチングでいろいろなサポートしていただきありがたかったです。プレゼンの資料に色を付けないというのも感心しました。そういうところまで気を使われているのかと。
ありがとうございます。いいところをすごく見ていただけているのがうれしいです。
これでまた、さらにサービスが上がりますね。(笑)
もちろんです!(笑)
本日は貴重なお時間をいただき本当にありがとうございました。たくさん褒めていただけましたし、みなさんとの距離もぐっと近くなった感じがします。まだまだプロジェクトは続きますのでこれからも全力でサポートさせていただきます!
今日は、アジェンダはないのですが、ズバリほめる会です。(笑) 僕のホームページにまじめな顔は似合わないので、緊張している𡈽方さんをほぐしていただきながら、ざっくばらんにお話いただければと思います。どうぞよろしくお願いいいたします。
まずは、これまで1年以上お手伝いさせていただいている改革プロジェクトの、発足の経緯を教えていただけますでしょうか。