「優秀なエンジニアはドクペ(Dr Pepper)が好きな人が多い」というCEOの経験則から、世界唯一のドクターペッパーデザイン自動販売機を社内に設置し、ドクペ飲み放題となっているHENNGE様。 そんなユニークなカルチャーを持つHENNGE様において、お手伝いしてきたのが社内会議のファシリテーションです。 今回は、代表取締役の小椋さん、執行役員の天野さん、汾陽さんの3名にお集まりいただき、園部牧場との関わりによって生まれた社内の変化について話をうかがいました。
私たちのコンセプトは「テクノロジーの解放」。
デジタルツールを使えば色々なことを効率化したり自動化したりして生産性を上げていけるにも関わらず、なかなかそれができない。そんなお客様に対し、デジタルトランスフォーメーションを推進し、新しくて自由なワークスタイルをお届けする事業を行っています。
これをやろうと思ったきっかけは、2011年の東日本大震災のとき。電気が止まり、会社に行けず、仕事が止まってしまった。一方で当時、家ではiPhoneを普通に使い、ツイッターで情報収集し、当たり前にクラウドを使っていましたよね。会社より家の方が進んでいたんです。
そうした状況に、これは問題ではないかと。私たちはそれまで15年以上も企業のお手伝いをしてきたのに、お客様のデジタルトランスフォーメーションは全然進めてこられていなかったことに気づかされ、反省したのです。
あの後、みなさんがそれに気づいて、会社でクラウドテクノロジーを使い出し、急に生産性が向上したという事例もいくつか出てきました。それをもっと促進するために私たちにできることは何かと考え、たどり着いたのがクラウドセキュリティ。クラウドの導入において企業が最も躊躇するポイントがセキュリティであり、その問題を解決していくためのツールとして、2011年から提供を始めたのが「HENNGE one」というクラウドセキュリティサービスです。これを通じ、企業の働きやすい環境づくりを応援しています。
なるほど。改めてよくわかりました。そして2019年2月1日に、「株式会社HDE」から「HENNGE株式会社」に社名変更しましたね。その思いを教えてもらってもよろしいでしょうか?
私たちは1996年からHDEという名前で会社をやってきまして、事業内容としてはどちらかというとセキュリティに寄っていましたので、お客様からもクラウドセキュリティの会社であると認識されていました。
しかし、私たちが本当にやりたいことはお客様を変えること。それには、まずは私たち自身がいろんなことに挑戦して、いろんな失敗をして、そこから得た知見によって製品を開発したり、ノウハウを届けたい。安定した何かを守っている会社ではなくて、ちょっと不安定で危なっかしいけれど、いろんなことにチャレンジして、リスクをとっていって、常に変わり続けようとしている結果がこの会社。
その認識を従業員も間違えちゃいけないと思ったし、お客様にも間違って欲しくないと思い、23年目にして、「変化(へんげ)」=HENNGEに社名変更しました。
変えてみてどうでした?
意外と馴染んだ感がありますね。
私はずっと会議に出させていただいていてそのマインドを知っていましたし、私自身も安定とか大嫌いなんで、すごくいいなと、大賛成派でした。そんな会社を手伝えているのがすごく楽しいなと思っています。
では、そもそもなぜ園部牧場なんていう怪しい会社に発注しようと思ったのか、その経緯と当初の課題を改めて教えてもらえますか。
当社は、創業以来3人のメンバーが取締役で、その周りに幹部がいて、社員がいるという構造なんですが、何を決めるにも常に合議制みたいな、それは取締役に限らずでして、わりとみんなが好き勝手にしていい会社であるがだけに、何かを決めようとするとなかなか決まらないという問題がありました。
会議も、特に経営者3人が話しているとエンドレスになっていたのです。それで、アドバイザーを入れてアドバイスをもらおうというのが一番初めにやろうとしたことでした。
何人か頼んでみて、上手くいくケースもあったんですが、正直言うと、私たちも20年くらい会社をやってきているので、別に答えを知らないわけではないので、「答えはこうなんです」といわれても、またそこから3人の議論が始まってしまうのです。もちろん、こちらにない知見を教えてもらったりもしたのですが、直接の問題解決にはならなかった。その点、園部さんは、すでにある解を導き出すというか、組織から引き出すということをやってくださったので、これはすごくいいんじゃないかと。そうした経緯でお願いすることになりました。
答えを教えるのではなく「引き出し、整理し、決める」ということをリードするイメージですね。
園部さんは、ご自身も会社員としてのビジネス経験があるので、本当は自分なりに答えを持っていて、たぶん言うこともできると思うのです。でもそれはあえてせずに、こちらの言っていることを聞いて整理することに徹している。その姿勢が私にはよくわかりました。
とはいえ、ただの整理役かというとそうではなくて、本当に会議が膠着したときは自分の意見をさりげなく出してくれる雰囲気もある。豊富なビジネス経験があるけれど、そこは主力武器ではないというところがバランスがいいと思ったし、私たちにすごく合うなと思いました。また、園部さんはいろんなメソッドをお持ちだったので、私たちもそれを盗みたいという思いもありました。
なるほど。ありがとうございます。
次に、いつものKJ法で、僕にファシリテーションをしてもらってよかったことを、5分くらいで教えてください。どうぞ!
~5分経過~
はい、時間です。
ではまとめていきましょう。キーワードはこんな感じですね。
「タイムマネジメント」「建設的」「全員参加」「目的が明確」「ファシリテーションスキルアップ」「緊張感」「議事録」「当事者意識アップ」「脱線しない」
議論で喧嘩しなくなりましたね。
確かに。
ディスカッションできるようになった。否定しなくなった。
自分の目的がはっきりするようになった。議事録もしっかり残るように。
会議のアジェンダも用意するようになりましたね。これまではゴールの分からない会議が多かった。
部門横断コミュニケーションも増えました。前はやりにくかったことがやりやすくなりました。
みんなにファシリテーションの意識が共有されて、会議の内容が脱線しなくなりました。前は何話してたんだっけっていうのがすごくあったので。社内の会議力が上がった。それが一番のメリットじゃないかという気がします。
会議の参加者に平等に発言機会が提供されるようになり、参加している人の当事者意識が上がりました。おかげで自分のいない会議での不安がなくなりましたね。声の大きい人の話ばかりが通っちゃうとやっぱり不安じゃないですか。それはみんなの意見じゃないから。そうなると私がジャッジとして参加しなきゃいけないかなと思っていたのが、そういう心配がなくなってきました。
それはすごい!最高!会社が変わりましたね。
では、私の強みってどういうところにあるのでしょうか?
きっと自分でも修羅場を踏んでいて、そこから自分なりの学びとか、これで解決できるっていうものを持っていらっしゃる。でもそれはめったに使わない。私たちにとっては、そういうことを分かってもらえているのが安心ですね。いざとなったら園部さんに意見を出してもらおうと思うし、実際みんなが詰まったときにはアイデアを出してくれたりするので、そこは経験がないとできないことなので、すごくいいなと思います。
答えを持っているけれど出さない、けれどたまに出す。なるほど、それは結構意識していますね。
我々と絶妙な距離感をとるのが上手だと思います。中の人でも外の人でもない感覚。議論を進めるにあたって何でも言いやすいし、一方で緊張感のある進み方をするときも結構ある。そこは、社内の人がファシリテーターになっただけでは得られないものが得られている気がしますね。園部さんの風貌がカジュアルだったり、趣味が幅広かったりするところも影響しているんじゃないかと思います。
木曜の午後からスキーに行くときなんて、ダウンとか着てきちゃいますもんね。(笑)
浮ついた感じでいらっしゃいますよね。これから山に登るんです!みたいな感じで。(笑)
僕は、場数と経験の豊富さじゃないかと。相当な数の会議を回した経験があるんだろうなぁっていうのは受けていて感じますし、適切なタイミングで適切な回答とか、流し方とか、場合によっては他社の例とか、いいタイミングでキレイにはさんでくださっているので、本当に会議を回すプロだなぁと思います。
ファシリテーションのツールが多い。引き出しが多いですよね。いろんな人からいろんな意見を引き出す道具を持っている感じがすごくいいな、すごいなと。その技を盗もうと思っていたんですが、簡単には真似できないですね。
自動的に押し引きしているんですね。場数と経験の中でコミュニケーション力が絶妙になったのかもしれません。
園部さんはコーチングのスキルも混ぜてファシリテーションしていますよね。相手によっては気づきを促すような進め方をすることがあるじゃないですか。ファシリテーション以外の力も投入されているところがその質を上げているのかなと僕は思いました。
そうですね、コーチングスキルは混ぜてますね。
園部さんは時々、勝手に問いを立てるときがあるじゃないですか。その問いの立て方がいい感じなんですよね。たぶん、我々が次に何をやったらいいかわからないときに問いを立ててくれてるんだと思うんですけれど、それがイケてる、切れ味がいい。膠着したときにはそれが必要なんだけど、空気を読んだり状況を読まないと逆にしらけてしまうと思うのでね。
あるある。
園部さんは、自身でファシリテーションしながら僕らにトレーニングしてくれている、僕らは勉強させてもらっている、教えてもらっている感があります。「こういう時にこういう手法をとるといいんですよ」とかって宣言されることがありますよね。僕はそれを盗んでます、これは次使おうって。参加しているメンバーのファシリテーション力が自然に上がっている気がしますね。そこはすごくありがたい。
それを知ってもらえると私もやりやすくなるのでやっているんだと思います。そうか、ファシリテーションスキルが上がっちゃうんですね。
じゃあ、社内で起こった変化を教えてください。
園部さんのやり方を真似したり、園部流ミーティングが開かれたりしています。ややこしいことでも、自分たちで解決できそうなことは我々が園部流でやってみようと。でも、すごくややこしいときには園部さんを呼んで話そうと。そんな感じになってきました。
そうですか!自分たちで合意形成までの舵を切れるようになってきた感じですね。
誰かがその手法を知っているので、「じゃあ、こうした方がいいんじゃないですか」と言えるようになりました。
我々以外にも、マネージャーやリーダーなど、そこに参加した人が結構増えてきたので、それが社内で共通化されつつありますね。園部さんほど上手にはできないですけれど、このやり方で、合意形成のとれた形で決まったことだから、納得しようよとか、次に進めようよという風になってきています。
私は会議の質って「時間」「品質(決まる)」「納得度」と思っています。納得しない状態で進めると、次の会議にみんな来てくれないんですよ。だから納得度を高めるという点には注力してやっていますが、みなさんの会議でも増えてきたわけですね。
まだ足りないですけれども、改善されてきましたね。
その結果として、全会議室に必ずポストイットとペンを置いておくことになりました。一度IT化しようとは思ったんですけれどもね。
慣れてくればIT化もできますが、園部流のテクノロジーはポストイットなので!
分かりました(笑)
ミーティングで、ファシリテーションをあなたがやってくださいっていう会話が生まれるようになってきましたね。インストールされた。
そうだね。「今日俺、園部流でやってみるよ」とか言ってますね。で、会議終わった後、「やってみたけど難しかった」と言ってます。
なるほど。
社内の会議のあるべき姿が見えたので、ちょっと近づこうっていう風になったんですね。トレーニングも大事ですが、受けてもらって、見てもらうと会議の質が上がるんですね。ちなみに、10点満点で、会議の質は以前と今とでどう変化しましたか。
最初は1点、今は6点くらいにはなったんじゃないですかね。いざとなったら園部さんを呼んでくることができるので安心していられます。でも成長率600%ですよ!
すごい費用対効果ですね。
園部さん自身が「変化(へんげ)」系キャラなところも、我々と相性がいいところだと思います。
あまりいないタイプのコンサルですよね(笑)
いや~ほめすぎですかね、めっちゃほめてますよ。
大丈夫ですか。(笑)
大丈夫です。慣れてますから(笑)
今日はありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!
最初に、HENNGE様の事業紹介をお願いします。
代表の小椋さんの方から熱い思いを聞かせてください!